佐野洋子『ぼくの鳥あげる』が新装復刊された。
作家の風木一人さんが編集を担当されたもの。
1984年に子ども向けに刊行されたものは絶版となっていたが、
今回、広瀬弦さんの絵で大人向けに刊行されたのだ。
この本にとって、なんてすばらしい「生まれ変わり」なんだろう。
『ぼくの鳥あげる』を読むと、わたしは来し方をふり返る。
10年前のできごとが、ふと「今」につながってると感じるとき。
いやもっとまえ、30年前、高校生のときのできごとがなかったら、
今ここにこうしていないだろう、と思うとき。
まったく関係ない「点」と「点」がつながって「線」に見える不思議にであうたびに、
わたしはもっとこの本が好きになる。
『ぼくの鳥あげる』(作/佐野洋子 絵/広瀬弦)幻戯書房