小さい書房を始めた時から、私は翻訳本はやらないと決めていました。
企画を一から立ち上げることに醍醐味を感じているので、
既にこの世に存在する作品に自分が関わることはないだろうと思っていました。なのに…!
あっという間に翻意させる作品に出会ってしまった。それが『くじら図書館』です。
本書は2021年にフランス語で発行された後、すぐに翻訳されて、
オランダ語圏のコミックに贈られるWilly Vandersteen賞を受賞しました。
オランダ語翻訳者の川野夏実さんから紹介して頂いた時、
訳が半分くらいしかないのに、一気に読み終わりました。
なんなんだ!?この本は……全訳を読んでないのに、もう感動している……!
派手な作品ではありません。心がじんとして、優しさが伝播する感じ…といいましょうか。
とにかく、これは絶対に日本語版を出したい、と思いました。
海の郵便配達人と、世界一大きな海の図書館を持つ優しいくじらの物語が、皆さんに届きますように。
5月21日発売。オールカラー全80頁。絵本のような体裁です。
きょうから全国書店&ネット書店で予約受付スタートします。