今日は、これま修正を加えてきた『青のない国』を、最終的に本番の紙に印刷する日。
発売日が決まっているのに、まだ本は出来上がっていないんだ!と思われるかもしれませんが、
これが通常の流れなのです。
仕上がりを確認できる最後の機会なので、私も工場に行って印刷に立ち会いました。
インクのにおいが漂う印刷工場。機械がずっと稼働していて、熱気あり。
オペレーターの方は揃いのTシャツ姿でした。
目指す色がきちんと出ているか、間違いなく修正されているかなど、
オペレーターの方が細かくチェックした後、私も確認してOKのサインをし、
最終印刷に入るという流れを繰り返します。
年々新しい機械が取り入れられている印刷現場ですが、「人の目」に頼るところも大きく、
一番印象的だったのはインクを練りあわせて「色を作る」作業。
印刷工場には、「調色室(ちょうしょくしつ)」という部屋があって、
ご覧の通りインクの缶がズラリと並んでいます。
ここでは職人さんが、へらを両手に数種類のインクを練り合わせて、目指す「色」を作り上げます。
私が行った時も、下記写真の通り、職人さんがこねこねと練っている最中でした。
『青のない国』に出てくる青色も、こうして作られたものです。
この“色を作る”作業、過去には機械を取り入れてインクを自動攪拌していた時期もあったとのこと。
しかし、効率的ではあるけれども、「数値」で色を識別する機械に限界を感じ、
「やはり人間の目でしっかり“色”を見よう」と、また職人さんの手作業に戻したということです。
「インクがすみずみまでちゃんと混ざっているか? 目指す色に限りなく近づいているか?」
微妙な調整が求められる作業。機械に勝るヒトの目っていいなぁ。職人技を感じました。
というわけで、『青のない国』、発売はいよいよ今月18日(金)です。
↓ここも見て頂けると、印刷真っ最中!の雰囲気が伝わります!
https://www.youtube.com/watch?v=szcwm7zYb0I
(写真は全て、印刷会社の精興社(せいこうしゃ)埼玉・朝霞工場にて撮影しました)